Y→R【金田林三&大友弥太郎SS】 [PBWのSS]
旧ホムペサービス終了による引っ越しSSシリーズ。
林三と弥太郎は別々のPBWに登録していましたが、元は未完のオリジナル小説用のキャラをDKにリメイクしたためセット扱いなんですわ。なんしーで涙目ロールした結果、シンドイからNPCに恋心抱かねぇもん!という意思の元、先に相棒がいれば大丈夫やろ!ってはずが、林三はキドグチくんというNPCと友情をだいぶ育んでいた気がする…。ゆ、友情だから…恋愛じゃないから…でも涙目にはなったw
同じ内容で弥太郎視点で林三を見ているお話。R→Yより先に読むのがオススメ…かな。
*****【Y→R】*****
林三はいつもノホンと笑う。
ノホン笑いは、ホントにのんびり笑ってるときと、ホントはちっとも笑ってないときと、二種類あって、
たぶん、ちゃんと見分けられてるのはオレくらいしかいない。
そもそも、使い分けてることに気付いてない奴のほうが多いだろうから。
なんでそんなふうに使い分けるようになったのか、ちゃんと聞いた事はないけど、
平たく言えば家庭の事情の賜物ってやつなんだろうね。
オマエにとっては平たく言えるようなことじゃないだろうけど。
「林三」
呼びかけに振り返った林三にいつもの一言を投げかける。
「スキだよ」
「うん? そら、おーきに」
のほんと笑うこの顔は、ちゃんと笑ってる顔だ。
「…大丈夫そうだね」
「うん? なにが?」
なんでもないよと答えて、小さく息をつく。頭の中では暗示のようにぐるぐると言葉が巡る。
── 大丈夫。まだ、林三の近くにいられる。
スキダヨに、オーキニと返ってくるのはいつものこと。
だけど、いつか、ノホンが困ったノホンになるんじゃないかって、そればっかりが怖い。
だから時々こうやって、オマエのこと試してるんだよ。
そんなこと、オマエは全然考えもしてないだろうけど。
「…ごめん」
「うんと、今度はなにが?」
「なにかが」
短いやりとりに、シオシオと林三の眉が下がる。
「弥太郎はいっつも、なんや小難しいイジワルするんよなぁ…。小難しすぎてわからんねん、いじめられてることが」
「いじめたんじゃないよ、試しただけ」
「なにを?」
「な、に、か、を」
「…いじめてると思うんやけどなぁ、ソレ…」
ふにゃふにゃと風船がしぼむみたいに林三の体がまるまった。視線が近くなる。
犬みたいなタレ目。人なつっこそうにみえるくせに、ホントは警戒心の塊なデカイ犬。
いっつも人との距離をはかってるくせに、懐にとびこまれると弱いんだよな、オマエ。
「シャンとしてなよ、デカイのがぐんにゃりしてるとうっとーしいから。とりあえず、そういう林三もすきだけどね? うっ、とぉ、しぃ、けど」
ペシペシッと背中をはたくと、しょんぼりした顔つきの林三がこちらをみやる。
「誉められてんのん? けなされてんのん?」
「誉めながらけなしてんの」
「はぁ…なるほど。弥太郎は器用やなぁ……ほな、誉められるだけにしよか」
のほーん、のほーん、のほーん。
笑いながらシャッキリのびた背の、とても手の届かないところにあるつむじのあたりを、ぐりぐりなでてみたくなる。ぐんにゃりしてる間に触っておけばよかった。
仕方がないから、かわりにミゾオチのあたりに、コツンと拳をぶつけることにする。
「ばぁか、オマエが不器用すぎなんだよ」
そういうとこも、スキだけどさぁ…。
なにがどう好きなのか、どこか一番すきなのか、時々真剣に考えるんだよ、これでもさぁ。
のんびり笑ってるときも、なにかを隠して笑ってるときも、
ノホンとされると胃の奥がきゅうっと苦しくなって…
こんなのオマエ以外にはないんだ。世間一般にはオカシイことなんだろうけど。
それでも、頭で否定したってお腹の底からそういう気持ちが湧いてくるなら、もう観念するしかないじゃんか。
「弥太郎、おーきにな」
不意にやけに優しい声が耳に届いて、ぐしゃぐしゃと髪をかきまわされた。
逃げようとして、けど、大きな掌があったかくて、逃げられなくなる。
「…なにが?」
「うん、なんやジブンみとったら感謝せなあかん気になったん」
「なにそれ…ていうか、ヤメロ。誰のためにめかしこんできた思ってんだよ、アホタレ」
「ええやん、どんなナリになっても弥太郎は弥太郎なんやし、どないにババチクなったかてキライにならへんよ」
「そーゆー問題じゃねぇんだよ、アホ!」
いっそキライになれたらどんなにラクかと思うけど、
気持ちはいつも持ってかれてばかりだから、
どこが一番好きかなんて、きっといつまでたってもわかんない。
だって、オマエ、奥が深いんだよ。そんなノホンとした顔、してるくせにさ。
*****
ヤタにとっての林三は、初めて自分で見つけた拘りたいもの…かな。
たとえば林三が林子ちゃんでもヤタは同じように好きというのですよ。
同姓だろうと異性だろうとなんだろうと、関係なく芽生えたトキメキなのです。
つか、ババチイって通じるのだろうか…。「汚れる」とか「汚い」とかいう意味デスヨ。
ところで書きそびれましたがヤタはこのとき女子の格好をしています、念の為。
林三と弥太郎は別々のPBWに登録していましたが、元は未完のオリジナル小説用のキャラをDKにリメイクしたためセット扱いなんですわ。なんしーで涙目ロールした結果、シンドイからNPCに恋心抱かねぇもん!という意思の元、先に相棒がいれば大丈夫やろ!ってはずが、林三はキドグチくんというNPCと友情をだいぶ育んでいた気がする…。ゆ、友情だから…恋愛じゃないから…でも涙目にはなったw
同じ内容で弥太郎視点で林三を見ているお話。R→Yより先に読むのがオススメ…かな。
*****【Y→R】*****
林三はいつもノホンと笑う。
ノホン笑いは、ホントにのんびり笑ってるときと、ホントはちっとも笑ってないときと、二種類あって、
たぶん、ちゃんと見分けられてるのはオレくらいしかいない。
そもそも、使い分けてることに気付いてない奴のほうが多いだろうから。
なんでそんなふうに使い分けるようになったのか、ちゃんと聞いた事はないけど、
平たく言えば家庭の事情の賜物ってやつなんだろうね。
オマエにとっては平たく言えるようなことじゃないだろうけど。
「林三」
呼びかけに振り返った林三にいつもの一言を投げかける。
「スキだよ」
「うん? そら、おーきに」
のほんと笑うこの顔は、ちゃんと笑ってる顔だ。
「…大丈夫そうだね」
「うん? なにが?」
なんでもないよと答えて、小さく息をつく。頭の中では暗示のようにぐるぐると言葉が巡る。
── 大丈夫。まだ、林三の近くにいられる。
スキダヨに、オーキニと返ってくるのはいつものこと。
だけど、いつか、ノホンが困ったノホンになるんじゃないかって、そればっかりが怖い。
だから時々こうやって、オマエのこと試してるんだよ。
そんなこと、オマエは全然考えもしてないだろうけど。
「…ごめん」
「うんと、今度はなにが?」
「なにかが」
短いやりとりに、シオシオと林三の眉が下がる。
「弥太郎はいっつも、なんや小難しいイジワルするんよなぁ…。小難しすぎてわからんねん、いじめられてることが」
「いじめたんじゃないよ、試しただけ」
「なにを?」
「な、に、か、を」
「…いじめてると思うんやけどなぁ、ソレ…」
ふにゃふにゃと風船がしぼむみたいに林三の体がまるまった。視線が近くなる。
犬みたいなタレ目。人なつっこそうにみえるくせに、ホントは警戒心の塊なデカイ犬。
いっつも人との距離をはかってるくせに、懐にとびこまれると弱いんだよな、オマエ。
「シャンとしてなよ、デカイのがぐんにゃりしてるとうっとーしいから。とりあえず、そういう林三もすきだけどね? うっ、とぉ、しぃ、けど」
ペシペシッと背中をはたくと、しょんぼりした顔つきの林三がこちらをみやる。
「誉められてんのん? けなされてんのん?」
「誉めながらけなしてんの」
「はぁ…なるほど。弥太郎は器用やなぁ……ほな、誉められるだけにしよか」
のほーん、のほーん、のほーん。
笑いながらシャッキリのびた背の、とても手の届かないところにあるつむじのあたりを、ぐりぐりなでてみたくなる。ぐんにゃりしてる間に触っておけばよかった。
仕方がないから、かわりにミゾオチのあたりに、コツンと拳をぶつけることにする。
「ばぁか、オマエが不器用すぎなんだよ」
そういうとこも、スキだけどさぁ…。
なにがどう好きなのか、どこか一番すきなのか、時々真剣に考えるんだよ、これでもさぁ。
のんびり笑ってるときも、なにかを隠して笑ってるときも、
ノホンとされると胃の奥がきゅうっと苦しくなって…
こんなのオマエ以外にはないんだ。世間一般にはオカシイことなんだろうけど。
それでも、頭で否定したってお腹の底からそういう気持ちが湧いてくるなら、もう観念するしかないじゃんか。
「弥太郎、おーきにな」
不意にやけに優しい声が耳に届いて、ぐしゃぐしゃと髪をかきまわされた。
逃げようとして、けど、大きな掌があったかくて、逃げられなくなる。
「…なにが?」
「うん、なんやジブンみとったら感謝せなあかん気になったん」
「なにそれ…ていうか、ヤメロ。誰のためにめかしこんできた思ってんだよ、アホタレ」
「ええやん、どんなナリになっても弥太郎は弥太郎なんやし、どないにババチクなったかてキライにならへんよ」
「そーゆー問題じゃねぇんだよ、アホ!」
いっそキライになれたらどんなにラクかと思うけど、
気持ちはいつも持ってかれてばかりだから、
どこが一番好きかなんて、きっといつまでたってもわかんない。
だって、オマエ、奥が深いんだよ。そんなノホンとした顔、してるくせにさ。
*****
ヤタにとっての林三は、初めて自分で見つけた拘りたいもの…かな。
たとえば林三が林子ちゃんでもヤタは同じように好きというのですよ。
同姓だろうと異性だろうとなんだろうと、関係なく芽生えたトキメキなのです。
つか、ババチイって通じるのだろうか…。「汚れる」とか「汚い」とかいう意味デスヨ。
ところで書きそびれましたがヤタはこのとき女子の格好をしています、念の為。
2020-11-23 00:00
コメント(0)
コメント 0