それがはじまり [アトラ系プラリア]
感想書くのにまだ指が止まるので
まとめてみたプラリアもどき公開。
メリッサが独り言してるだけのやつ。
第一回で貰った個別の夜の出来事。
PLが掘りたい謎をPCは気にしそうもなく
打破するのに好意を持たせるか悩み…
恋できそう?ってメリッサに確認すべく
二回アクション前にこれまでの恋愛や
個別の会話をどう感じたかなんてのを
散文として書きだしていました。
そこに肉付けしてまとめたものです。
なんていうか拗らせてるアラサーよ。
明るいアホとみせかけてかなり淋しんぼ。
あははーと笑いながら結構傷ついてる。
私のPCはだいたいそんなのばっかです。
○○っぽく見せてて実は…タイプの巣窟。
だからみなさんの中にあるメリッサと
イメージが少し食い違うかもしれない。
タイトルがなかなか降りてこなくて
ラストメッセージに書いた一文を採用。
めっちゃラブレターだったやつ。
そのうちマスターにコレお送りして
あのラブレターを補完していただきたいな!
個別読んでないと謎だらけですが
ご興味あれば折りたたみ先からどうぞー
*****【それがはじまり】*****
寝返りをみっつまで数えたところで瞼を開ける。開けたところで闇にかわりはない。マテオ・テーペの夜は常闇だから。
本当は怖くて明かりを灯して眠りたい。が、物の限られたこの場所でそんな贅沢は言っていられない。暗いし怖いしただぎゅっと目を閉じて身を横たえる。暗いのは目を閉じてるせいと思い込む。いつもならそれで落ちていけるのに、今日は一向に眠りに引き込まれそうもなかった。身体は疲れているはずなのに、頭が冴えてしまっている。
「久しぶりだなぁ、こういうの」
こういうの。
こういう気持ちを自覚すること。
ソワソワと浮き足立つような、それでいて不安も広がるような、落ち着かない心持ち。
「うーん、困った…」
浮かんでくるのは彼のことばかりだ。
まともに話したのは今日が初めてだった。この閉ざされた場所に二年も暮らしていれば、なんとなくの人物像は見聞きするものだけれど、思っていたのとは随分印象が違っていた。
「この感じは……あれ、だよね。なにか始まっちゃうやつ……」
笑った顔がいいなと思った。
声をたてて笑うのも意外だった。
なんだか面倒見も良さそうで、あー、先生だもんね、と思った。
なんとなくとっつきにくいタイプを想像していたのに、どうやらちょっと違うようで、もっと話してみたいと思ってしまった。
「もうこういうの、ないと思ったのに……」
手探りで毛布を引き上げて被った。頭まで。
ないと思っていたから、マテオ・テーペ登頂のためならなりふり構っていられないかと腹をくくったのに。唯一自慢できる身体で勝負にでたのに。
「どうしよう……困った! 困ったよ!」
ジタバタと悶える身体に毛布が巻き付く。
「……でも、また会える」
何か手伝えばいいらしい。仕事内容はよくわからないが、次の約束ができたようなものだ。
それが、嬉しい。
嬉しいことに、まだ戸惑いはあるけれど。
身分の高そうな教師の手伝いとはなんなのか想像もつかないけれど。
「じゅうせー……だっけ?」
急に獣の話になってどうしたのかと思ったが、どうらや違う意味の言葉らしかった。難しい言葉を知っているのも先生っぽい。(※アホの子の感想)
とにかく統治者のご親戚なのは本当で、登頂への期待は持てそうだ。けれど同時にモヤモヤした感情も膨らんだ。
身分の壁は簡単に超えられるものじゃないと知っている――身近にそれをみたことがあるから。各々の気持ちを見守って、一緒に心を傷めたことがあるから。
(私も傷つくのかな……)
「…………。いやいやいや、ないない! そもそも相手にされないって!」
バサリと、今度は毛布をはね除ける。
自問自答でつっこんで、ため息が出た。
もうずっと、何度だって思い知った。付き合うにはよくても、最終的には選ばれない女。男の人が傍に置きたがるのは、趣味優先で自由気儘に過ごす女じゃない。もっと家庭的で気が利いて思わず守りたくなるような……
「まー、そんな子だったよね、だいたいは」
過去のアレコレを思い出してため息が連鎖した。
お酒で意気投合して、楽しいから付き合おうとかなんとか言われて、ちょっと旅に出て戻ってきたら無かったことにされて、相手はちゃっかり次の恋に進んでいる。そんなことの繰り返し。
それでも、好きだと言われるのは素直に嬉しかったし、本当に好きなら待っててくれるはずと期待していた。つまりあっちにはその程度の好意しかなくて、自分だってあーやっぱりねーで終われるつきあいばかりで……気づいたらこの歳だ。
友人達にさんざん呆れられたし、家族にもどこか諦めムードが漂っていた。
『あんたさ、告られたからって安易に受け入れすぎ!』
『おっぱい目当ての男かどうかは見極めないとねー』
『そもそも放置しすぎるメリッサも悪いと思うよ』
『家は俺が居る、ねーちゃんは好きにしていい』
『あんたは見合いでどうにかなる玉でもないか……』
『お前らしくでいいからな』
胸がギュウッと苦しくなった。
不甲斐ない自分に心入れしてくれた人達にはきっともう会えない。知らない土地で独り、生き延びてしまった。
残るべきは堅実に過ごしていた両親や弟夫婦であってほしかった。家庭や子宝に恵まれて幸せそうだった友人達であってほしかった。散々好き勝手生きてきた自分じゃなくてよかったのに。
それでも悲観してなにもしないのは違うと思うから、出来ることを探しながらただ憧れの山を見上げている。
(みんな外で生きてるよ。会いにいかないだけ。私が独り立ちしただけだから……)
感傷を達観にすり替えて、日々を繋ぐのに懸命になれば二年はあっという間だった。本当の出逢いがほしいなんて願いもすっかり忘れるくらいに。
(出逢い、ね)
頭の奥に今日聞いた笑い声が甦る。苦しかった胸に仄かなくすぐったさを覚えて、引き結んでいた口許が緩んだ。
考えてみると自分から男性に興味を持つのは随分久しぶりのことだ。
「……師匠ぶり? うわぁ、20年ぶりくらい?」
クライミングを教えてくれた師匠はあの頃、今の自分と同じくらいの歳だっただろうか。気を引きたくて誉められたくて、ひたすら岩を昇りまくった。懐かしき10歳の初恋。叶うはずもなく終わった憧れ。
「あ、そっか……先生だし、ヴォルクくんなにか知ってるかも……」
身近にいる10歳児はあれでも一応魔法学校生だ。独特の言動の彼はとても自由で、奔放に過ごしてきた自分が重なることもしばしばで、軌道修正してあげるべきか迷いながら見守っている。
「なんでもいいから知りたいなぁ……」
知ったところで報われなくても、今はこのソワソワを楽しむのも悪くない。
(勝手に気にするのはいいでしょ。なんか違うと思ったらその時やーめたってしたらいーんだし)
言いなれた台詞が脳裏を過った――私は選ばないよね~わかる~いつもそう~。きっとこのソワソワもそんな自嘲で終わる。それでも、久しぶりに芽生えた気持ちに蓋をしたくなかった。
「いいかげん寝なきゃ。お肌荒れちゃう」
毛布に潜り込み直して瞼を閉じる。身体を丸めると、枕にくっつけた耳から自分の鼓動がトクトクと聞こえた。たぶん、いつもより少し早いリズムで。
――こんがり焼けて美味そうになったら、食べさせてもらう
思い出して、ふふっと笑って。
(どーやって食べるんですかー、せんせー)
ソワソワが募る。
夜はまだ長そうだった。
*****
後日ヴォルクくんに尋ねてみるも
「知らぬ!興味ない!」で終了予定w
初回個別でのレイザくんの印象は
『わりと普通の男子じゃん』でした。
…………。
全っ然普通じゃなかったよー!!!
いや、普通でいたかったんでしょうけど…
普通だと恋ははじまらず終わったよね
だって関われる引きが発生しないもの!
マテオでどれだけ書けるか謎なので
収納はアトラプラリアカテゴリにしとく。
前作PCとの過去話もまとめてみたいし
シリーズ括りのほうがたぶん都合がいい。
まとめてみたプラリアもどき公開。
メリッサが独り言してるだけのやつ。
第一回で貰った個別の夜の出来事。
PLが掘りたい謎をPCは気にしそうもなく
打破するのに好意を持たせるか悩み…
恋できそう?ってメリッサに確認すべく
二回アクション前にこれまでの恋愛や
個別の会話をどう感じたかなんてのを
散文として書きだしていました。
そこに肉付けしてまとめたものです。
なんていうか拗らせてるアラサーよ。
明るいアホとみせかけてかなり淋しんぼ。
あははーと笑いながら結構傷ついてる。
私のPCはだいたいそんなのばっかです。
○○っぽく見せてて実は…タイプの巣窟。
だからみなさんの中にあるメリッサと
イメージが少し食い違うかもしれない。
タイトルがなかなか降りてこなくて
ラストメッセージに書いた一文を採用。
めっちゃラブレターだったやつ。
そのうちマスターにコレお送りして
あのラブレターを補完していただきたいな!
個別読んでないと謎だらけですが
ご興味あれば折りたたみ先からどうぞー
*****【それがはじまり】*****
寝返りをみっつまで数えたところで瞼を開ける。開けたところで闇にかわりはない。マテオ・テーペの夜は常闇だから。
本当は怖くて明かりを灯して眠りたい。が、物の限られたこの場所でそんな贅沢は言っていられない。暗いし怖いしただぎゅっと目を閉じて身を横たえる。暗いのは目を閉じてるせいと思い込む。いつもならそれで落ちていけるのに、今日は一向に眠りに引き込まれそうもなかった。身体は疲れているはずなのに、頭が冴えてしまっている。
「久しぶりだなぁ、こういうの」
こういうの。
こういう気持ちを自覚すること。
ソワソワと浮き足立つような、それでいて不安も広がるような、落ち着かない心持ち。
「うーん、困った…」
浮かんでくるのは彼のことばかりだ。
まともに話したのは今日が初めてだった。この閉ざされた場所に二年も暮らしていれば、なんとなくの人物像は見聞きするものだけれど、思っていたのとは随分印象が違っていた。
「この感じは……あれ、だよね。なにか始まっちゃうやつ……」
笑った顔がいいなと思った。
声をたてて笑うのも意外だった。
なんだか面倒見も良さそうで、あー、先生だもんね、と思った。
なんとなくとっつきにくいタイプを想像していたのに、どうやらちょっと違うようで、もっと話してみたいと思ってしまった。
「もうこういうの、ないと思ったのに……」
手探りで毛布を引き上げて被った。頭まで。
ないと思っていたから、マテオ・テーペ登頂のためならなりふり構っていられないかと腹をくくったのに。唯一自慢できる身体で勝負にでたのに。
「どうしよう……困った! 困ったよ!」
ジタバタと悶える身体に毛布が巻き付く。
「……でも、また会える」
何か手伝えばいいらしい。仕事内容はよくわからないが、次の約束ができたようなものだ。
それが、嬉しい。
嬉しいことに、まだ戸惑いはあるけれど。
身分の高そうな教師の手伝いとはなんなのか想像もつかないけれど。
「じゅうせー……だっけ?」
急に獣の話になってどうしたのかと思ったが、どうらや違う意味の言葉らしかった。難しい言葉を知っているのも先生っぽい。(※アホの子の感想)
とにかく統治者のご親戚なのは本当で、登頂への期待は持てそうだ。けれど同時にモヤモヤした感情も膨らんだ。
身分の壁は簡単に超えられるものじゃないと知っている――身近にそれをみたことがあるから。各々の気持ちを見守って、一緒に心を傷めたことがあるから。
(私も傷つくのかな……)
「…………。いやいやいや、ないない! そもそも相手にされないって!」
バサリと、今度は毛布をはね除ける。
自問自答でつっこんで、ため息が出た。
もうずっと、何度だって思い知った。付き合うにはよくても、最終的には選ばれない女。男の人が傍に置きたがるのは、趣味優先で自由気儘に過ごす女じゃない。もっと家庭的で気が利いて思わず守りたくなるような……
「まー、そんな子だったよね、だいたいは」
過去のアレコレを思い出してため息が連鎖した。
お酒で意気投合して、楽しいから付き合おうとかなんとか言われて、ちょっと旅に出て戻ってきたら無かったことにされて、相手はちゃっかり次の恋に進んでいる。そんなことの繰り返し。
それでも、好きだと言われるのは素直に嬉しかったし、本当に好きなら待っててくれるはずと期待していた。つまりあっちにはその程度の好意しかなくて、自分だってあーやっぱりねーで終われるつきあいばかりで……気づいたらこの歳だ。
友人達にさんざん呆れられたし、家族にもどこか諦めムードが漂っていた。
『あんたさ、告られたからって安易に受け入れすぎ!』
『おっぱい目当ての男かどうかは見極めないとねー』
『そもそも放置しすぎるメリッサも悪いと思うよ』
『家は俺が居る、ねーちゃんは好きにしていい』
『あんたは見合いでどうにかなる玉でもないか……』
『お前らしくでいいからな』
胸がギュウッと苦しくなった。
不甲斐ない自分に心入れしてくれた人達にはきっともう会えない。知らない土地で独り、生き延びてしまった。
残るべきは堅実に過ごしていた両親や弟夫婦であってほしかった。家庭や子宝に恵まれて幸せそうだった友人達であってほしかった。散々好き勝手生きてきた自分じゃなくてよかったのに。
それでも悲観してなにもしないのは違うと思うから、出来ることを探しながらただ憧れの山を見上げている。
(みんな外で生きてるよ。会いにいかないだけ。私が独り立ちしただけだから……)
感傷を達観にすり替えて、日々を繋ぐのに懸命になれば二年はあっという間だった。本当の出逢いがほしいなんて願いもすっかり忘れるくらいに。
(出逢い、ね)
頭の奥に今日聞いた笑い声が甦る。苦しかった胸に仄かなくすぐったさを覚えて、引き結んでいた口許が緩んだ。
考えてみると自分から男性に興味を持つのは随分久しぶりのことだ。
「……師匠ぶり? うわぁ、20年ぶりくらい?」
クライミングを教えてくれた師匠はあの頃、今の自分と同じくらいの歳だっただろうか。気を引きたくて誉められたくて、ひたすら岩を昇りまくった。懐かしき10歳の初恋。叶うはずもなく終わった憧れ。
「あ、そっか……先生だし、ヴォルクくんなにか知ってるかも……」
身近にいる10歳児はあれでも一応魔法学校生だ。独特の言動の彼はとても自由で、奔放に過ごしてきた自分が重なることもしばしばで、軌道修正してあげるべきか迷いながら見守っている。
「なんでもいいから知りたいなぁ……」
知ったところで報われなくても、今はこのソワソワを楽しむのも悪くない。
(勝手に気にするのはいいでしょ。なんか違うと思ったらその時やーめたってしたらいーんだし)
言いなれた台詞が脳裏を過った――私は選ばないよね~わかる~いつもそう~。きっとこのソワソワもそんな自嘲で終わる。それでも、久しぶりに芽生えた気持ちに蓋をしたくなかった。
「いいかげん寝なきゃ。お肌荒れちゃう」
毛布に潜り込み直して瞼を閉じる。身体を丸めると、枕にくっつけた耳から自分の鼓動がトクトクと聞こえた。たぶん、いつもより少し早いリズムで。
――こんがり焼けて美味そうになったら、食べさせてもらう
思い出して、ふふっと笑って。
(どーやって食べるんですかー、せんせー)
ソワソワが募る。
夜はまだ長そうだった。
*****
後日ヴォルクくんに尋ねてみるも
「知らぬ!興味ない!」で終了予定w
初回個別でのレイザくんの印象は
『わりと普通の男子じゃん』でした。
…………。
全っ然普通じゃなかったよー!!!
いや、普通でいたかったんでしょうけど…
普通だと恋ははじまらず終わったよね
だって関われる引きが発生しないもの!
マテオでどれだけ書けるか謎なので
収納はアトラプラリアカテゴリにしとく。
前作PCとの過去話もまとめてみたいし
シリーズ括りのほうがたぶん都合がいい。
2017-11-30 17:47
コメント(2)
楽しく読ませていただきましたよ!
身悶えねーちゃんは新鮮、いやいつもか……
確かに興味ないっ!て言いそう。
もしくは愚民のひとり、とか。
まだ戦は始まってない頃だから……
by ちゅうがくにねんせい (2017-12-01 00:15)
こんなんで楽しんでもらえてよかったですよ。
プラリアは忘れた頃に読み返した未来の自分が
ふおー!なんて俺得な内容なんや!感激極まれりー!
ってなるための先行投資と思って書いてるからして。
弟と一緒にいるときは保護者意識が働くから
悶えてる場合じゃない!ってなると思うのよ。
だからやっぱり新鮮なんじゃなかろうか。
そうよねぇ…愚民との開戦前に
寮母のおねーさんとも戦わねばならないもんねぇ…
(寮母のおねーさんが出てくるプラリア待ってます!)
by kalin (2017-12-01 23:25)